「とりあえず借りてみる」はNG!
カードローンやキャッシング、クレジットカードのリボ払いなど、「お金を借りる」ことが簡単になった現代。しかし、借りた後の返済計画をしっかり立てないまま、気軽に利用してしまう人が後を絶ちません。
そんな中で、「返済シミュレーション」は、最も手軽で効果的な“お金を借りる前の自己防衛ツール”です。
ただし、使い方を間違えると「正しくリスクを把握できない」まま契約してしまう恐れもあります。
この記事では、返済シミュレーションの正しい活用法と、見落としがちな注意点を詳しく解説します。
返済シミュレーションとは?
返済シミュレーションとは、金融機関やローンサービスのWebサイトなどで提供されている借入金額・金利・返済期間などを入力すると、毎月の返済額や総返済額を自動計算できるツールです。
✅ 入力する基本項目
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借入希望額(例:30万円)
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金利(年率)(例:15%)
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返済期間(または返済回数)
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ボーナス併用や追加返済の有無
これらの数字をもとに、月々の支払い額・返済回数・利息の総額などをシミュレーションしてくれます。
シミュレーションで見える「意外な現実」
多くの人が借入前に勘違いしているのが、「数万円借りてもたいしたことないだろう」という感覚です。
✅ 例:30万円を年15%で借りた場合(36回払い)
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月々の支払い:10,383円
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総返済額:約373,788円
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利息総額:73,788円
つまり、30万円借りたはずなのに、37万円以上返すことになるのです。
「数万円の利息なら…」と思うかもしれませんが、これは“金利が一定のまま”だから。
※途中で返済遅延が起きると、さらに高い遅延損害金が加算されるケースもあります。
正しい返済シミュレーションの使い方5ステップ
1. 借入予定額を正確に入力する
「念のため多めに」と考えず、実際に必要な額だけ入力しましょう。
多く見積もってしまうと、無駄に大きな返済計画になってしまいます。
2. 金利は“最も高い条件”で設定
Webサイトに「金利年4.5〜18.0%」と書かれていても、多くの人は上限金利で契約されます。
シミュレーションも18.0%など、最大値で行うのが現実的です。
3. 返済方式を確認する
「元利均等方式」や「元金定額方式」など返済方法が選べる場合、それによって月々の返済額や総返済額が異なります。
ローンサービスによっては、「最低返済額(リボ方式)」でしか計算されないケースもあります。
4. 月収と支出を照らし合わせて現実と比較
自分の家計にとって、その返済額は**本当に毎月継続できる額か?**を冷静に判断しましょう。
5. 複数パターンで試す
返済回数を24回・36回・60回などと変えて試算すると、「どのくらい期間が延びると利息が増えるか」が感覚でつかめます。
見落としがちな“3つの落とし穴”
落とし穴1:金利は変動する可能性がある
銀行系ローンなど、一部のカードローンは金利が変動する場合もあります。
「シミュレーション時より実際の金利が高かった」ケースはよくあるので、確定通知が届くまでは参考程度に考えておきましょう。
落とし穴2:シミュレーションと異なる“手数料”の存在
ATM手数料・振込手数料・契約時の印紙代など、細かな費用はシミュレーションに反映されないことが多いです。
「実質的な負担」はシミュレーション結果+αと考えておくのが賢明です。
落とし穴3:ボーナス払いに頼りすぎる
一部シミュレーターでは、ボーナス時に増額返済する設定が可能ですが、収入が不安定な人にはリスクです。
「ボーナスが出なかった年」には計画が破綻する可能性もあります。
「自分に合った借入」を見極めるために
返済シミュレーションは、いわば**“借入の設計図”**です。
「建築計画もないまま家を建てない」のと同様に、返済計画を立てずに借入するのは危険です。
特に初心者の方や初めてカードローンを利用する方は、必ずシミュレーションを活用する習慣を持ちましょう。
まとめ:数字に強い人が、お金のトラブルから身を守れる
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シミュレーションは無料で誰でも使える「自衛ツール」
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金利・返済方式・月収とのバランスを確認
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「一番厳しい条件」で計算するのが現実的
借入は一時的な助けになりますが、その後の返済こそが本番です。
シミュレーションを通して“数字に強い”借り方を身につけ、後悔のない選択をしていきましょう。