「いくら借りるべきか」は実は難しい問い
カードローンや消費者金融、銀行ローンを検討するとき、多くの人が最初に悩むのが「いくら借りればいいか?」ということです。
「借りられる上限=借りていい額」と勘違いしてしまうと、返済が厳しくなったり、長期的に家計を圧迫してしまう危険もあります。
本記事では、自分にとって“ちょうどよい借入金額”を見極める方法を、3つのステップに分けてわかりやすく解説します。
ステップ1:まずは“必要な金額だけ”を明確にする
借入を考えるとき、「多めに借りておいた方が安心」と思いがちですが、これは大きな落とし穴。
借りたお金には利息が付きます。「使う予定のないお金」まで借りてしまうと、利息を払うために利息が発生するという悪循環になりかねません。
✅ まずは“目的”を明確に
例:
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引っ越し費用(敷金・礼金・引越代)→ 20万円程度
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医療費(急な手術・通院)→ 10〜15万円
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車検代や修理費 → 10万円前後
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一時的な生活費 → 5〜10万円
使い道が決まっている金額だけを借りるように意識しましょう。
ステップ2:月々の返済可能額から逆算する
借入金額を決める際、**「月いくらまでなら返せるか」**を先に把握しておくことが大切です。
✅ 目安としての“返済比率”
金融機関では「返済負担率」という指標を参考にします。
これは、月収に対するローン返済の割合を意味し、理想は以下の通りです:
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月収の15%以内(生活費に余裕あり)
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最大でも20%を超えない(生活が圧迫される可能性大)
たとえば、手取り月収20万円の場合:
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安全な返済額:月30,000円以内
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これ以上は家計が圧迫される可能性あり
この返済額から、金利や返済期間を加味して借入総額を逆算します。
✅ シミュレーション例(金利15%、36回払いの場合)
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月1万円返済 → 約30万円の借入
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月2万円返済 → 約60万円の借入
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月3万円返済 → 約90万円の借入
「毎月の返済=家計にとってストレスにならない額」であることが、継続的な返済を実現するポイントです。
ステップ3:「想定外の出費」に備えておく
返済計画は、予定通りいかないこともあります。急な出費や収入減により返済が困難になるケースは少なくありません。
✅ あらかじめ“バッファ”を設ける
借入前に、次のような「想定外」に備えておくと安心です。
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返済が遅れた場合のペナルティ金(遅延損害金)
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収入が減った際の最低返済額
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医療費や冠婚葬祭などの突発的な支出
特にフリーランスや歩合給の方は、月収が不安定な場合が多いため、「貯金と合わせて計画を立てる」意識が必要です。
よくあるNGパターン:この金額、危ない!
❌ 限度額いっぱいまで借りてしまう
「せっかく審査が通ったし、使わなかったら戻せばいい」と思っていても、気が緩んで無駄遣いに繋がるケースが多いです。
❌ ボーナスや臨時収入をアテにする
「来月は臨時収入があるから…」と考えて借りるのは危険。収入予定がずれる、金額が減るなどの不確実性があります。
❌ 返済シミュレーションをしないまま借りる
毎月の支払いを把握せず、「なんとなく大丈夫そう」と思って借りるのはリスク大。
無料の返済シミュレーターなどを活用しましょう。
自分の“借り方のクセ”を知っておくのも大切
実は、同じ借入金額でも、性格や習慣によって“危険度”は変わってきます。
✅ こんな傾向は要注意
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クレジットカードのリボ払いを多用している
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気分で買い物をしてしまう
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家計簿をつけていない
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月末になると残高ギリギリ
こうした傾向がある方は、「自分を甘やかしやすいタイプ」かもしれません。
必要最低限の金額に抑え、借りた金額はすぐ返す意識を強く持つことが大切です。
まとめ:借入額の判断基準は“上限”ではなく“身の丈”
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借りるべき金額は、使い道が明確で、返済可能な範囲であること
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月々の返済額を無理なく支払える金額から逆算する
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想定外の事態にも対応できる“余裕”を持った設計が大事
借りること自体は悪いことではありません。
ただし、「必要な分だけ」「返せる分だけ」借りるという意識が、将来の安心につながります。
「借りる=リスク」ではなく、「正しく借りる=賢い選択」
あなたの暮らしと心に余裕をもたらす借入額を、冷静に見極めていきましょう。